昨日の夜、ヤキモキしながらも無事に確保できたミニバンサービスの3座席。これでヨーロッパ最後の秘境といわれるアルバニアの首都ティラナまで乗り換えなしで一気に行くことができます!
実は今回の旅で一番楽しみにしている国のひとつがこのアルバニア。1991年まで鎖国していたとか、ネズミ構で国家経済が破綻したとかの情報以外はあまりなく、調べても謎は深まるばかり。一体どんな国なのでしょうか???
モンテネグロのビーチタウン、ブドヴァで迎えた最終日の朝は、6時半起床。身支度をして荷物をまとめ、またもや昨夜遅くまで飲み明かしソファーで就寝中の若者たちの間を忍び足で「そぉーっ」と通り抜け、7時半前に宿を出ました。 宿のすぐ近くにあったベーカリーで朝ご飯を簡単に食べ、8時15分には昨日教えてもらった集合場所へ到着。すでに数人の旅行者らしき若者がいたので「ティラナ行きのミニバン待ちですか?」と聞くと、「そうだよ」というので、安心して荷物を降ろしました。
ミニバンは集合場所に到着するとすぐにやってきました。
モンテネグロ人のドライバーの男の子が手際よく皆んなの荷物をバンのトランクに積み込み、予定通り8時30分きっかりには出発です。我が家3人の他には、元歯科医のアメリカ人の女子一人のみ。行く先々で歯科ボランティアをしながら世界旅行中だそうです。
乗客が少ないので、ミニバンはゆったり広々。おまけに車両は新しくエアコンもバッチリ効いてます。公共バスに比べれば値段は張りますが、子連れで荷物を持ってバスをいくつも乗り継いで行くよりも何百倍もいい!
歳の頃20代前半くらいかと思われるドライバーの男の子によると、ミニバンはブドヴァを出発すると、山の方を抜けてモンテネグロの首都ポドゴリカで他の乗客を拾い、シュコダル湖のあたりでモンテネグロとアルバニアの国境を越え、アルバニアのシュコダルという街で休憩するとのことでした。時間があればそこで遅めの朝食(または早めの昼食か)を取る時間を設けるとのこと。その後、ティラナへ向かい、スムーズに行けば到着予定時刻は午後1時くらいだそうです。
ミニバンサービスのブドヴァからティラナまでの道のり |
ブドヴァを出発してすぐ、峠の頂上に来るとドライバーの男の子が腕時計をチラっと見て、「時間にちょっと余裕あるから…」と眺めが素晴らしいベストスポットで10分ほどバンを停めてくれました。山の上からアドリア海沿岸を眺めます。
眼下には、2011年に開業したあの憧れのアマンリゾートがあるスヴィティ・ステファン島が見えました。
一生に一度は泊まってみたいアマンリゾート。島内に泊まると一番安くても950ユーロかぁ…。しかも10月から4月はクローズだそう。
今度ブドヴァに来ることがあれば、こういうところに1週間くらい泊まってのんびりしたいものですなぁ…。来世に期待するかぁ…。
左手に見えるのがスヴィティ・ステファン島。対岸右側がブドヴァの街。 |
ミニバンは、ブドヴァを出発して予定通りのちょうど1時間くらいでポドゴリカに到着しました。ここでオーストラリア人の女の子2人組を乗せて出発です。これでティラナ行きの乗客は全員揃ったよう。
シュコダル湖のそばを通り抜け、車に乗車したまま入国審査を終え国境越えると風景は一気にアルバニア色でいっぱいになります。
ロバの引くカートが車道を走っていたり、道ばたにトウモロコシを売る露店が出ていたり。国道沿いにアルバニアののどかな風景が延々と続きます。
また、道の両端には建設途中で放置されている住居がたくさんありました。
中には1階部分だけ完成し現在居住中で、2階以上は鉄筋むき出しで思いっきり建設途中のまま放置されてる建物なんてものもあります。なんなんでしょう?! 例のネズミ講がはびこって経済破綻した時の名残でしょうか。
なぜかぬいぐるみが軒先から吊り下げられている家を何軒も見ました。
なんなんだろう?!魔除け??
モンテネグロのポドゴリカからアルバニアのシュコダルをつないでいるこの欧州自動車道も10年ほど前に建設されたばかりだそうです。
こんなのどかな風景が見られるアルバニア。 |
ロバやトウモロコシなどを横目にさらにのどかな風景を見ながら走り続けると、予定通り1時間半後にシュコダルに到着。
ロザファ城のふもとにある広大な敷地の中にあるとても気持ちのいいレストランのガーデンで遅めの朝食をとります。
とはいえ、子どもがいるわが家はすでに朝食を済ませており、ランチを食べるにはまだちょっと早いかな?という微妙な時間だったので、スナック程度にドライバーさんおススメのピザを1枚頼み家族3人で分けて食べました。
それにしても、アルバニアに入って物価が一気に安くなりました。モンテネグロ人のドライバーの男の子も「アルバニアは物価安いからね〜」というので、どんだけ安いのかとワクワクしていたら! 本格的なおいしいピザ1枚とコーヒー、オレンジジュースを頼んで、なんと5ユーロしませんでした。
思わず叫びました。
『やっやすぅ〜っっ!』
シュコダルはアルバニアの地方にあるということもあるでしょうが、物価はロンドンの半分以下です。
ちなみにここのお店はユーロ払いも可でした。ドライバー兼ガイドをしてくれる男の子と他の乗客と一緒に緑いっぱいのガーデンでテーブルをともにし、色々お喋りしていたらあっという間に40分ほどの休憩時間が終わり、再びミニバンに全員乗車です。
ずっと車に座りっぱなしだったので、娘がレストランの庭で走り回れてよかったです。
ロザファ城が丘の頂上に見えるシュコダルのレストラン入り口。 |
レストランの建物へ行くまでの緑のアーチ。 |
レストラン前庭のテーブル席でランチタイム |
そして我が家3人を乗せたバンは一路ティラナへ。
ここまで順調に来ていたバンもこの辺りで事故渋滞に巻き込まれ、13時に到着予定だったのが1時間ほど遅れの14時くらいになりました。
渋滞にハマったバンの中では、私たちの後ろの座席に座ったオーストラリア人の女子二人組が娘の相手をして遊んでくれたので、とーっても助かりました。
太陽がギラギラ輝くうだるような暑さの中、ティラナの中心部にある時計台近くで全員おろされ、ミニバンは折り返しモンテネグロへ行く乗客を乗せて去っていきました。
日陰で私と娘が荷物番をする間、バンで一緒だった女子3人とダディはアルバニアの通貨を手に入れるためにATMへ。
無事にアルバニアのお金を手に入れた後、みんなにさよならを言ってわが家の本日の宿へと向かいます。
宿の場所は、時計台から歩いて10分ほどだったでしょうか。うだるような暑さの中到着した宿は、分譲マンションを利用した宿泊施設でした。ロケーションは、ティラナインターナショナルホテルの裏側ととてもわかりやすい場所で、通された部屋はレセプションとは別棟にある50メートルほど先の入り口を入ったところの建物で、まだ新しくてとてもきれいでした。エアコン付き、そしてそこそこのホテル並みの設備に朝食付きで1泊30£という破格の値段でした。
チェックインした後、部屋に備え付けのお茶を飲みながらちょっとのんびりします。
少し日差しも和らいだ頃、といってもすでに夕方の5時頃になって、やっと行動開始です。宿の近所に散策へと出かけることにしました。
適当に歩いて5分もしないところに活気のないショッピングセンターがありました。今日は早朝からの移動でお疲れ気味なうえ、アドリア海沿岸に到着以来、毎日すごく暑くてちょっとバテ気味なので、大して歩いてませんがここでまた休憩。
娘は、しぼり立てのフレッシュオレンジジュース、大人はコーヒーを頼みました。
クロアチア、モンテネグロと来た後にアルバニアの物価は、冗談抜きでメチャ安です。
驚愕のアルバニア・プライスは、コーヒー1杯が50レック(約0.4ユーロ)。これがアルバニアの平均価格です。
アルバニアの首都ティラナの体感物価価格は、ロンドンのおよそ1/3 といったところでしょうか。
ちなみに、ロンドンのスタバでスタバで一番小さいサイズのアメリカーノの価格はアルバニアの3倍以上、1.95£です(約2.5ユーロ)。
そのまま夕食を食べにいこうということになり、唯一の情報源であるロンリープラネットに載っていた一番近場にあるアルバニア伝統料理レストランへ行くことにしました。
その道すがらインターナショナルホテルの裏あたりに旅行代理店を見つけたので「ウチは男の子二人もいるんだけど、女の子が欲しかったわぁ」という子ども好きな旅行代理店のおばちゃんから、明々後日のコソボの都市プリズレン行きのバスのチケットを購入しておきました。
この旅行代理店の前から朝7時に出発するバスで、プリズレンまでは一人10ユーロでした。宿から歩いてほんの数分の場所なので朝が早い時には便利です。
ちなみにティラナからプリズレンまでは約3時間の旅で、このティラナからプリズレンの2都市を結ぶ道は、まだ新しく建設されたばかりなようで、我が家の当初の計画では、アルバニアのベラットという街からマケドニアのオフリドに抜けようと思っていましたが、調べていくうちに、ベラットとオフリドは地図上での距離は近くても国境越えの交通が不便なアルバニアでは、多少遠回りに見えてもこの新しい道路を通ってティラナからコソボに抜けたほうがアクセスも良く時間も早いとわかり、最終的に大幅に旅行のルートを変更したのでした。
夜ご飯を食べにレストランへと向かう道すがら、街の中央にある公園にあった児童公園を目ざとく見つけた娘を滑り台やブランコでしばらく遊ばせ、その後、途中で見つけたお土産物屋さんで娘にアルバニアTシャツを購入しました。
アルバニアの子どもと遊ぶ。 |
赤いバックグラウンドに黒いワシの絵。アルバニアの国旗が妙にかっこいい。 |
レストランには7時くらいに到着しましたが、店内はガラガラ。お客はわが家だけでした。この時間で店内のお客さんゼロって…。ひょっとしてハズしたかも??やっちまったか??と思いつつ、子どものいるわが家にとって「夜7時」はすでにちょっと遅めの夕ご飯を食べました。
とりあえず、お店の人におススメを聞いてグリルしたラム肉とナスのひき肉を詰めたもの、グリークサラダを注文しました。ここアルバニアでは、ラム肉が伝統料理なのかラム肉のメニューが多かったのと、あとはやはり隣国ギリシャの影響かギリシャ風のメニューが多かったです。
Oda restaurant
Rr. Luigj Gurakuqi,
Tirana,
Albania
フォークロアなインテリアでまとめられた店内 |
暑い日は地元ティラナのビール! |
なんともワイルドな感じの骨付き羊肉。 |
夕食を終えた時には夜8時過ぎになっていましたが、外はちょうど夕方で日がかげり始めて過ごしやすい気温になっていたせいか、ものすごい数の人が夕涼みで街中にいました。
さっき立ち寄った時には人がまばらだった公園も、夜8時過ぎの時間には子どもからお年寄りまでものすごい数の人がいました。昼間はものすごく暑くて外出もママならないので、こうして暑さが和らぐ日が落ちる頃になってから皆んな外に出て来るのでしょう。
ワーキング・アワーで毎日が動いている先進国とは違って、まだまだ自然環境に合わせて人々の生活が営まれているということなんでしょうね。
ゲキ混みの夜8時の公園。 |
明日はこの快適な宿を一度チェックアウトし、小さなリュックサックに1泊分の荷物だけをつめ替えてアルバニアの世界遺産「千の窓」と呼ばれる街「ベラット」へと向かいます。
どこからどのようにして行くのか分かりませんが、まあなんとかなるでしょう。
というか、詳しい情報が手に入りにくいアルバニアでは、現地の人に聞かないことには調べようがありません…。
しかし今日はほとんど車の中にいたとはいえ暑い一日でした。湿気がないのがまだ救いですが、本当に暑い…。
***子連れ旅情報***
アルバニア/ティラナ
街の子連れに優しい度 ★★★
ヨーロッパ最後の秘境と言われているだけに物価はヨーロッパイチ安いと思われます。公園には移動遊園地なども(メリーゴーランドなどの乗り物)ありますが、ヘルス&セーフティ(安全性)は??
アルバニアには先進国のような子ども向けの特別な施設はありませんが、街の人々は子どもにとっても優しいです。アルバニアの対岸はイタリアなので、英語よりもイタリア語のほうがよく通じます。
公共交通はバスかミニバス:料金体系は謎でしたが、子どもは無料でした。子どもの年齢を聞かれることもありませんでした。
子連れアクティビティ充実度:★★
特に子ども向けにアレンジされた施設やアクティビティはありませんが、街中はゆったりとした作りなので子連れでも安心して歩けます。
子連れ食べ物充実度:★★
地理上、ギリシャ、トルコ系の食べ物、イタリアンなどが多いです。日本や中国などアジア系のご飯は見かけませんでした。
赤ちゃん用品の充実度(手に入れやすさ):★★
※薬局で手に入れられると思いますが、大きいサイズのおむつや便利グッズなどは見つけにくいかも。宿の子連れに優しい度 ★★★
オーナーを始めスタッフはみんな親切。特にチャイルドフレンドリーな建物ではないけれど、頼めば色々配慮してくれると思います。
まだ新しくエアコン付き。WIFIもバッチリ。国立博物館まで徒歩5分以内とロケーションも良し。朝食付きでこの値段は破格。ただしエアコンとヘアードライヤー使用で電気のブレーカーが落ちました。。。
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