2018年11月19日月曜日

【子連れでアルメニアの旅】トビリシからディリジャンまでタクシーに乗るが、アルメニアのタクシーは料金交渉が相当面倒臭い

今日は、とても居心地の良かったジョージアのトビリシからアルメニアへと向かいます。
今回もタクシー使用。
トビリシからサダフロという場所にあるジョージアとアルメニアの国境を越え、そこからまたタクシーを乗り継ぎます。途中でサナヒンとハフポットにある世界遺産に登録されている修道院を訪れた後、アラヴェルディという街で昼食を食べ、今日の最終目的地、ディリジャンという旧ソビエト時代には保養地として賑わっていたアルメニアのスイスと呼ばれている街までのルートです。

トビリシの宿でタクシーを呼んでもらい、先ずはジョージア国境まで。
料金は70GL。
歩いて国境を超えイミグレーションオフィスを抜けると、最初に声をかけてきた運転手に、アラベルディまでサナヒンとハフポットに途中で立ち寄りたいというと「40,000ドラム」と返って来ました。

あらかじめ調べていた相場は確かそれぐらいだったはず...と、よく確かめずに一旦OKを出してしまったのが事の始まり....。

その運転手が車を取りに行くと言ってどこかへ行ってしまったあと、改めてよくよく計算してみると、なんと約80US$。幾ら何でもそりゃ高い!アルメニア相場よりもゼロが一つ多いと言う痛恨のミス。ちなみに事前に調べていた値段は、5,000〜7,000ドラム (15 US$)で、そこからちょっと値上がりしてる事もあると思うけど、アルメニア価格からするととんでもない値段。。。。


うっかり車に乗らなくてよかった!

ふと辺りを見回すと、他にもタクシー運転手がいるのが分かり、ママと娘が荷物番をしている間に中国のマーケットで鍛えた値引き交渉力を持つダディが、値段を聞きに行くことに。
ママと娘が遠くから見ていると、ダディはちょっと太めの大人しそうなおじさん運転手に声をかけ交渉開始。

交渉がまとまりかけ始めた頃、最初の運転手が一目散に駆け寄ってきて、何やら凄い勢いでいちゃもんをつけ始めた!

周りの運転手たちもわらわらと集まりダディと最初の運転手を取り囲み始めた。
これではラチが明きそうにない。。。

娘に「ダディの様子見てくるから、ここにいてね。絶対に動いたらダメよ。」と、
ママも加勢に加わることに...。

運転手:『車取りに行ってる間に何してんだよコノヤロー(超訳)』
ダディ:「40,000ドラムなんて高いから払えない」
運転手:『最初にその金額でOKって言っただろーが!』
ダディ;「いや、ジョージアから来たばかりで為替計算間違ってたんだよ。本当に申し訳ないけど、僕たちには高すぎて払えない」
運転手;『最初に声をかけたのは、このオレだ!だから、お前は俺の客なんだよ!』
ダディ;「だから、本当に申し訳けないけど、この人が12,000ドラム (25US$)で行ってくれるって言ってるんだ。。。」

唾を飛ばしながら、なおも食いかかってくる運転手。
周りの運転手は傍観してるだけで、加勢もしなけりゃヤジすらも飛ばさない。
そして、あくまでも穏やかな口調で冷静に話し合おうと、変なところでイギリス・ジェントルマン魂が出るダディ。

ママが輪の外側から聞いていると、子どもじみた不毛なやり取りの応酬。
呆れる様なやり取りが何度か続いた後、

運転手;「じゃあ値下げしてやる!14,000ドラムだ」とイキナリの大幅値下げ。

しかし、次にオフアーされた金額よりもまだ高い。。。このタクシーの運転手に資本主義の競争原理を理解させるのは到底無理なよう。
ここまで攻撃的な態度な上に、「値下げしてやるっ」て、偉そうに!と、
ここでママもプチンと何かが切れた。

ママ;「ちょっと、あんたね、こっちは子どもがいるんだよ?!値下げするって言われても、声を荒げて攻撃的なアンタみたいなのが運転する車に子どもを乗せるわけにはいかないよ!こっちの運転手見てごらんよ!もっと穏やかで安心できるじゃん!」

運転手;「でもYESって言っただろ!」
ママ:「だからアンタの車には乗らないって言ってるんだよ!」
運転手;「ウソつきめ!」
ママ;「そんな攻撃的な態度のヤツの車に誰が乗りたい?」

ここまで言っても、しつこい運転手はなおも色々言い返して来た。
ここまで来るとママの怒りは、既に沸点をはるかに超えていたので、
ダディの「もっと穏便に交渉するべきだ、よ...まぁ落ち着いて」と言う言葉を制して、

ママ、マジ切れ。

ママ;「あんたの運転する車には絶対に乗らないってんだよ!
あんたは嫌だから!!」

と、ギャラリーにいる運転手をも納得させるかのように、分かりやすく身振り手振りを交えながら逆ギレしたパフォーマンスに、運転手たちは、ちょっと笑いつつも

「そりゃそーだ(最初にぼったくろうとしたお前が悪いし、幾ら何でもやりすぎな額)。怒ってる奴の車は避けたいよなぁ....」と言う空気が一瞬スーッと流れ......。

ママはこの時点でこの勝負の勝利を確信しました。

勝負に蹴りがついて(笑)ギャラリーにいた運転手たちが、それぞれ自分の車の方へと散り始めると、そのタクシーの運転手は、尚も捨て台詞を言いながら、どこかへ去っていきました。
ホント往生際の悪いヤツ。負け犬の遠吠えってやつだな。

さて、気を取り直して、この大人しそうなおじさん運転手とは、12,000ドラム(25US$)で交渉がまとまったので、車に乗り込んで出発。
まぁこれでも現地価格より高いんだろうけど、ポンドで考えても約20ポンド。
これ以上、交渉するのは面倒だし、まぁぼったくりの額もこれくらいなら許容範囲ということで。

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先ずは、ハフパット修道院へ向かいます。
970年代に作られた世界遺産の修道院前には、おみやげ屋さんがあって、地元のおばさんがかぎ針でせっせと商品を作っていました。
眺めが良くてとても気持ちのいい場所です。

眺めサイコー


そして次は、サナイン修道院に。
こちらも10世紀に作られた世界遺産登録の修道院で、どちらもアルメニア教会の修道院です。
お化けが出て来そうな雰囲気の建物でしたが、ドーム型の天井の中央には空が見える穴があり、そこから滴り落ちる雨が落ちて長年の月日をかけて石造りの地面にくぼみができていました。


1000年以上前の建物が残ってるなんて「本当にすごい」と思うのですが、建物も敷地内も野ざらしであまり整備されていません。







次に向かったのは谷底にある街、アラベルディ。
サナイン修道院から鉱山の街アラベルディへ向かう途中、タクシー運転手のおじさんが街が良く見渡せる場所へと連れて行ってくれました。

廃墟と化すアラベルディの鉱山。
まだ煙が上がっているところもある。

山の上から見るかな〜り寂れた印象のアラベルディの街。
鉱山とそのゴーストタウンぶりが手に取るように良く分かりました。
廃墟マニアにはたまらない街でしょう。
ここサナヒンの村から街までは少し前までロープウェイが運行してたそうで、今は無人の頂上駅の設備は赤くサビだらけ。この辺りも昔はそれなりに繁栄していたんだろうな。。。

国土の70%が山岳地帯のアルメニア。北部のこの辺りは、谷底に沿って幹線道路が作られ山の頂上に村がある感じとなっています。
サナイン村は、細い山道を登って行くと、突然うらびれた感じの旧ソビエト連邦的、無機質な団地のアパートや商店などの人々が生活を営む街が現れ、何だかスターウォーズに出て来そうな雰囲気でした。

毎回(比較的)善良なタクシー運転手探しが面倒だったので、アラベルディで降ろしてもらう間際に「ディリジャンまで行くと幾ら?」と聞いてみると、「アラベルディで終わり」と断られました。。。

アラベルディのバスターミナル前

まぁ、仕方あるまいと、アラベルディのバスターミナルの辺りで降ろしてもらうと、明らかに旅行者と分かる我が家を目ざとく見つけてオヤジタクシー運転手が近寄って来ました。
これから食事するからと断り、ディリジャンに向かう前に、お昼を食べておこうと適当に入ったお店でスープを頼みます。

うらびれた食堂での食事が終わって建物を出ると、我が家を張っていたのか、ストーカーのごとくまた同じ運転手がガラガラ声で「タクシーに乗るんだろ?どこまで行くんだ?」と近寄ってきました。何か感じ悪い運転手。。。。

じゃあディリジャンまでいくら?と聞くと、
「XXXでどうだ?」と。
「あ、そう。」と、その値段を参考に、ダディは、他のタクシーを探しに。

道端に停車中の若いお兄ちゃんにディリジャンまでの値段を聞き、少し安い値段で交渉してみると、あっさりOKとのこと。
交渉成立!
我が家の荷物をトランクに入れるのに、車から降りたお兄さんがトランクを開けようとしたら、さっきの感じの悪いオヤジ運転手が猛烈な勢いで駆け寄ってきた。

オヤジ;「俺が最初に声をかけた客だ!」
ダディ;「あなたは、15000ドラム(25US$)だけど、この彼は12000ドラムだから。」
オヤジ;「じゃあ、13000ドラム(25US$)だ」
ダディ;お兄ちゃんに向かって「12000ドラム(25US$)だよね、そうだよね?」
お兄ちゃん;「えっ、いや、15000ドラム。」と。
ダディ;「えっ?今さっき12000ドラムでOKって言ったじゃないか!」と詰め寄ると、
お兄ちゃん;「いや、、うーん、、、」と困惑した様子。

明らかにここのタクシー運転手の間にはヒエラルキーがあり、旅行者にはわからないドライバー同士の掟がある模様。
しかも年上のドライバーには絶対服従、若者は逆らえないという様子でした。

急にお兄ちゃんは我が家を乗せたくない。。。感じになってしまったので、不服ながらもこのいやーな感じのオヤジの車に乗る羽目になりました。

最初からとにかく印象がものすごく悪い運転手でしたが、運転中も子どもがいるのに車内でタバコをスパスパ吸ったり「窓開けてもいいか?」の一言もない。
途中ガソリンスタンドでガソリンを入れると言うので、みんなでトイレに降りている最中、運転手はまたタバコを吸いながらガソリンスタンドの店員に明らかに我が家の文句を言っている。
不思議なことに悪口や影口を叩かれている時って、何語であっても分かるんだよね。。。
さらに途中、工事中で砂利だらけの道があったので徐行運転が続いてさらに機嫌が悪くなる運転手。

最悪な雰囲気の中、ディリジャンまで3時間ほどのドライブ。
やがてディリジャンに到着し、宿前で降ろしてもらおうと住所と電話番号を見せると、路肩に寄せて車を停車することもなくオヤジは宿に電話をかけて道を聞く。

電話で何か二言三言話した後「宿はあっちだ。すぐそこだから、今ここで降りろ」と。
ダディが「すぐそこだったら、行ってくれてもいいじゃないか!!」とキツめに言うと、なぜか車の後部座席に「もう一人座れるかしら?」と言って、女性が一人滑り込んできた。
その女性は、タクシーの運転手と二言三言やり取りすると、運転手は車を走らせ始める。

「???」

全く状況が分からない我が家。

ほんの数分車を走らせたところで車は停車。「着きましたよ!」という女性に促されるまま、訳の分からず車から降りて荷物を降ろし、約束した額を運転手に支払いました。

その女性が運転手に向かって何やら険しい顔で何か言うと
「こっちですよ」と今度は笑顔で宿へと連れて行ってくれました。

この女性は、どうやら今夜の宿のオーナーだったよう。

宿に案内してくれる途中、「どこからあのタクシーに乗ったんですか?」と聞かれたので「アラベルディからです。」と答えると、「いくら払ったんですか?」と。
「12,000ドラムです」と答えると、値段はまぁ適正価格だったようでした。

ママが「ちょっと感じの悪い運転手だったんですよ。。」と言うと、オーナーの女性が「私も車に乗った途端にすぐわかりましたよ。汚い言葉を使って、サイテーなヤツだった!」と。
どうやら、ちょうど仕事が終わって出てきたところで、タクシー運転手から連絡が来たので、一緒にタクシーに乗り込んで道を案内してくれたということだったらしい。

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宿は、庭先に建てた2階建の小さなログハウス1軒貸切で、隣の大きな建物にオーナーご家族が住んでいました。

ログハウスの2階バルコニーから見える風景

ログハウスに案内してもらうと、ディリジャンのオススメのレストランやスーパーマーケット、近隣でオススメの場所などをディリジャンの地図に書き込んでくれました。
「ディリジャンでの滞在を楽しんで下さいね。何かあったら隣の建物にいるので声を掛けてください」と女性が出て行き、荷物を置いて一息ついたら、もうすっかり夕方。
明日の朝食を調達しにスーパーへの買い出しに行き、その帰りにレストランで夜ご飯を食べて帰ってこようかと言うことになりました。

宿を出て、丘の上の方向へ登っていくと、銀行などの建物があり、その少し先に教えてもらった大きめのスーパーを発見。


噴水に水はない

ところが、中に入ってびっくり。
きっと夕方遅い時間だったせいもあるのでしょうが、、、、。
商品の品揃えが極端に少ない!しかも、陳列棚には商品がなく空っぽな棚がいっぱい。。。と言うか、お店の陳列棚全体の3分の1、いや下手したら4分の1くらいしか商品がありません。
生鮮食品なんて数える程しかなく、でもアルコール類だけは結構いっぱいありました。
かなり少ない選択肢の中から、りんご、オレンジ、水のボトル、ヨーグルト(?)そしてパンや卵(バラ売り)を買いましたが、アルベルディで見たゴーストタウンのような風景と言い、ガラの悪いタクシードライバーたちといい....。
地元の人は一体どんな生活をしてるんでしょうか。



そういえば、カズベキの宿で会ったイギリス人一家からも話に聞いていましたが、車窓から見るアルメニアの風景の中には、まるで昨日夜逃げしたばかりのような廃墟がいくつもありました。
明らかにこの国は、ジョージアやアゼルバイジャンと比較すると貧しい様子です。

スーパーを後にし、オススメのレストランKchuchへ。
ここはお店の雰囲気も良く、お客さんもたくさんいて店員も親切でした。ここで娘は大きなピザを食べてご満悦....。



今日は、たまたま出会ったタクシーの運転手たちがことごとく最低だったせいか、のっけからアルメニアの印象は最悪でしたが、きっとあれはほんの一部の人なんだよね。。。
そう願いたい。

色々と快適だったトビリシから来たせいもあって落差がかなり激しいですが、
向こうから声をかけてくる人には、どこの国へ行っても用心ですね。

ログハウスの木の匂いがする中、眠りに落ちました。


***アルメニア・ディリジャンの子連れ旅情報***

街の子連れに優しい度 ★★

アルメニアのスイスと呼ばれている保養地。すごく小さな街なので、ハイキングや宿でのんびりするのが正しい過ごし方。みんな子どもには優しいです。

ディリジャンの宿泊先


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宿の子連れに優しい度 ★★
2階建てのログキャビン。子供用に1階に簡易ベッドを置いてもらいました。キッチンがついているので簡単な調理が可能。残念ながら洗濯機はなし。

電車料金移動はバスかタクシー
子連れアクティビティ充実度:★★
ハイキングや宿の設備でバーベキューなどネイチャー系のアクティビティが中心
子連れ食べ物充実度:★★
キッズフレンドリーなレストラン等はありません。味付けがシンプルなので、肉類、付け合わせのポテトとか。生野菜もよく食べられているようなので、好きであれば野菜も取りやすいです。
赤ちゃん用品の充実度(手に入れやすさ):★
スーパーや薬局に行けば、手に入りそう。

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