ひょっとしたら、年始にしてすでに1年最大のイベントだったのかもしれません(笑)。
年末年始はどこもお休みのレストランがほとんどのバスク地方で、唯一、我が家の旅行日程に合い、なおかつ子連れでも気兼ねなく行けたのが、ピンチョスの都、サンセバスチャンにあるミシュラン3つ星レストラン「Arzak アルサック」。
色々と調べまくった結果、子連れで訪れている人がいるのを発見して、家族連れでも入れるフレンドリーなレストランと分かりちょっと安心しました。
この日は、スペインとフランスの国境を越えてフランスのボルドーへ移動する予定でしたが、年始初営業日のアルサックのランチの一番早い時間で予約をして、夕方そのままボルドーへ向かうことにして、無理矢理このレストランに訪れることを予定に組み込みました。
ホテルをチェックアウトした後、ホテルで呼んでもらったタクシーの運転手さんに「Arzak アルサック レストランまで!」と言うと、「レストランアルサックね?」とすぐに了解。車で15分弱くらいでお店の前に到着しました。
お店のドアを開けて荷物を置かせてもらうと、バーエリアでダディは早速カクテルを頼み、ママと娘はお水をもらって飲んでいたら、すぐにテーブルに案内されました。
店内は、絢爛豪華!とかコンテンポラリィー!とか超モダン!って感じではなく、あくまでもニュートラルで品が良い感じ。
無機質なコンクリートの壁はよく見ると、フォークの型がついてます。さりげなくアートな感じでお洒落!
店内はさほど広くなく、窓から自然光が適度に入るとてもリラックスできる空間でした。
落ち着いた雰囲気の店内 |
メニューにはアラカルトもありましたが、ここはもちろん色んなものがちょっとずつ味わえるテイスティングメニューでしょう。
ママもダディーも、メニューを見ながら「何にしようかなぁ〜💌」と、うっかり自分の事しか考えてませんでしたが、、、
ダディ「そうだ、○○(娘)の分どうする?」
ママ「う〜ん、アラカルトから2品くらい頼んで、あとは私達のものをシェアーする?」
など悩んでいたら、フレンドリーなセニョールウェイターが注文を聞きに。
ウェイター「お決まりになりましたか?何になさいますか?」
ママ「もっちろん、テイスティングメニューでっ!!」
というと、セニョールが、食べられないものやアレルギーはありませんか?と聞いた後、メニューにある料理の説明を一品ずつしてくれました。
入れ替わりで、ヘッドウェイターのセニョールがオーダーを取り、それぞれのオプションを聞いていきます。
ママは魚にアンコウ、お肉は鴨。ダディはヘイク(タラに似た魚)に鹿。
ウェイター「かしこまりました。それと、お嬢さんは、どうされますか?」
ママ・ダディ「・・・・。うーんどうしようか。」
ウェイター「お嬢さんには、トマトスパゲティーとステーキとポテトフライをお持ちしましょうか?」
娘 満面の笑みでコックリ頷く
ママ・ダディ「それでお願いします!(素晴らしい!)」
娘用スペシャルメニューより |
娘用スペシャルメニュー (ポテトの盛り付けに注目!) |
今度は黒い皮のエプロンをつけたソムリエのセニョールが。
ソムリエ「こんにちは!お飲み物はいかがなさいますか?」
ダディ「ワインにしようか」
ママ「そうだね。そうしよう」
ソムリエ「どのような物がお好みでしょうか?」
ダディ「ワインのことは良くわからないのですが。何がオススメ?」
ソムリエ「赤、白、シャンペン何がよろしいでしょうか?」
ダディ「白ワインが良いです」
ソムリエ「どのような味がお好みですか?」
ダディー「ドライでお願いします」
ママ「あっ!ドライ過ぎず、フルーティ過ぎず、、、中間ぐらいのものがいいかな」
ソムリエ「ドライ過ぎず、フルーティ過ぎず、、、ですね。」と
ワインリストのページを捲るセニョール、ソムリエ。
ソムリエ「それでは、これは如何でしょう?飲んでみてお好みでないようでしたら、遠慮なく他のものをお持ちしますよ」
ダディ「じゃそれでお願いします」
ソムリエ「お嬢さんには?」
娘「お水でいいー」
ダディ「じゃぁ、スティルウォーターもお願いします」
・・・・・・
ソムリエ「こちらが白ワインになります」とママのグラスに注いでくれるセニョール。
さすがセニョールー、と思ったこの白ワインの味は、まさにドライでもなくフルーティでもなくのちょうどいい具合。
お手頃価格のスペイン産ワイン |
最初にお店に入った時は、我が家とお一人様アジア人女性の2テーブルでしたが、次々と予約のお客さんが現れ、お店の中はいつしか満席に。
途中でArzak アルサックのオーナーシェフ、エレーナ・アルサックさん登場。
テーブル一つ一つを周り、丁寧にご挨拶。ご自身にもうちの娘よりも少し年上のお子さんが二人いるエレーナさん、我が家の娘にも声をかけてくれました。この日は、バスク地方のガストロノミー文化の立役者、お父さんのフアン・マリ・アルサックさんはいなかったようでお会いできませんでした。
子どもと一緒でも入りやすいレストランなのは、オーナーシェフが子どものいる女性ってこともあるのかな。
お客さんの服装は、ドレスコードでいうとスマートカジュアル、って感じでした。男性はシャツにセーター、綺麗目ジーンズにスニーカーの人も。
なぜか誇らしげな娘 |
店内には、地元スペイン人のお客さんの他に、もう1組アジア人女性と西欧人男性カップルがいて、お一人様アジア人女性の隣のテーブルにいました。テーブル同士で話をしているらしく、どこからともなく聞こえてくる会話に聞き耳を立てていると(英語だから聞き取れてしまう。。。)、一組はマレーシア人とイタリア人のカップルで、お一人様のアジア人女性は、アメリカ在住の人みたいでした。この人は仕事っぽかったな。写真撮りまくりで、ヘッドウェイターからソムリエ、シェフまで矢継ぎ早に色々質問してました。
そして、めくるめく食べるアートたちをご覧あれ。(実物はもっと美味しそうです)
テイスティングメニュー最後に出てきたカエルたち。 |
食欲を満たすためだけの食事ではなく「食べるという行為そのものを楽しむ」という感じ。その空間を含めてのまさに食べるアート。
最後のチョコレートに辿り着くころには、お腹がはち切れんばかりでした。
最後にお会計を済ませてレストランを出る頃には、ダディはカクテルとワインで、いい感じに酔っ払い。。。昼間から二人でボトル1本は飲みすぎたかな。。。
後、デザートのチョコレートのボリュームがすごい。
そう言えば、オーダー取るときに「チョコレート好き?」って聞かれたけど、ちょっと多かったかな。どなたか行く機会があれば「チョコレートは好きだけど、たくさん食べられない」と言うとちょうど良いと思います。
一番最後のカエルのチョコレートは食べきれず、箱に入れてもらいました。
お料理は、西欧の料理界ではまだ目新しい食材、塩麹とか海藻とか使ったものがあったけど、日本人ママにとってはよく知る食材なので「斬新この味!」ってのはなかったけど、見た目にも美しく、そして美味しかったです。何よりも、プレゼンテーションの仕方は流石だし、お店のスタッフの気の配り方もいい距離感。
ちなみに、「海藻はどこで手に入れてるんですか?」とヘッドウェイターのセニョールに聞いたら、「海さ!」とオヤジジョークを飛ばした後、一応真面目に「日本とかから。」って言ってました。
帰り際には、今日食べたお料理のメニューもくれました。
いずれにせよ、チャーミングなセニョールやお兄ちゃんセニョールのおもてなしと共に時間にして約3時間ほどレストランで至福のひと時を過ごしました。
そこまで広くないお店で昼と夜の2回転(ひょっとしたら3回転?)だけで、それなりの人数のシェフやウェイターを雇ってレストランを経営していくって、つくづくすごいよなー。と。
お料理以外にも感心したママでした。
・・・・・・
その後、急に現実に引き戻され、みんなでスーツケースをゴロゴロさせながら徒歩10分ほどの最寄駅、Herrera-donostia駅へ。
30分おきに出ているローカル線に揺られて約30分でスペインとフランスとの国境駅Hendaiaに到着です。切符は一人1.73ユーロ。
ここからすぐお隣にあるフランス側のHendaia駅に移動、18:19発パリ行きのTGVに乗り換えフランスのボルドーまでは約2時間半。切符は事前にネットで購入、プリントアウトして、3人で60ユーロでした。
すっかり日が暮れた夜のボルドー駅前でタクシーを捕まえ、本日の宿へ。
タクシーの運転手にホテルの予約の紙を見せ、 ママは携帯で地図をチェック。
ホテルが見えてきたので、「そこ、そこ!」と言ったら、
運転手「えっ、何だイビスホテルか!」 だって(笑)。
予約の紙見せたじゃん。。。。
21:30までにはチェックインし、部屋に荷物を降ろしていました。
一生涯忘れられないランチを堪能した日の夜ごはんは、時間も遅かったのでIbisホテルのレストランで。オニオンスープをサクッと食べて、ベッドに入りました。
しかし、さすがフランス、もう22時近いというのにガッツリお肉食べてる初老のカップルがいましたが。。。
胃もたれしないのか?!
0 件のコメント:
コメントを投稿