2019年11月14日木曜日

【子連れでタジキスタン・パミール高原の旅|3日目】ムルガブからランガールへ。荒野を走り抜けるパジェロ


ボーントゥビワ〜イルド♪と知らぬ間に口ずさんでしまうタジキスタンの山岳地帯を4WDで駆けめぐるパミールハイウェイの旅、3日目。
昨日キルギスタンの国境を越えタジキスタンに無事入国しました。

昨夜は、タジキスタンのムルガブという街のパミールホテルに投宿。
到着時間が遅かったのと翌日の朝の出発が早いので、夕食を食べて直ぐに就寝しました。
ちなみにキルギスタンとタジキスタンの時差は1時間。
朝8時30分に「新しいドライバーさん」が迎えに来てくれるので、宿の朝食(ミルクがゆ)を取った後、急いで荷物をまとめて親子3人+スペイン人のマークでロビーに向かいました。



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子連れでパミールハイウェイの旅 (3日目)
本日の旅程
  1. ムルガブーアリチュール:2.5 時間
  2. アリチュールーブルンクル(ヤシクル湖):1 時間
  3. ブルンクルーワハーン回廊INーRatm Fortressーランガール:5時間
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昨夜、今回の車を手配してくれたレセプションの人に「ドライバーはオールド・マンだよ」と言われていた通り、ホテルのロビーに登場したのは恐らくママとダディよりも年上であろう年配の親父でした。
正直、ややガッカりしたママでした(笑)。

ムルガブの街

車はまたもやパジェロ。
車種については無事に走ってくれさえすればもはや期待もしていませんが。。。
昨日人っ子一人いない山道でタイヤがパンクするという事件があったばかりなので、特にこんなへきちでは車がまともに動いてくれさえすれば「御の字」という気持ちです。
むしろデコボコ道を走り抜ける運転手の「ドライビング・テクニック」の方が最重要項目かと。

ひたすらこういう道が続く

ちなみに、今日はママが助手席の番。

前の座席は視界がひらけて景色がよく見えるけど、道路には大小たくさんの穴が開いているので車は大揺れで座ってるだけだというのにかなりの疲労感。
いや実際にはただ座っているだけではなく右手は車のドアの上についているアシストグリップをガッチリと握りしめ左手はシートを押さえつけて体を固定しようとしてる状態。で数時間。2−3日後にこんな所に「なぜ筋肉痛?」と覚えのない痛みを感じること必至な状況なんです。
また前の座席は視界がひらけている分、道路の穴を左右に避けて走る状況は、まるで前方から次々やってくる敵をかわすテレビゲームの体感型、実写版をやってるみたいで緊張感たっぷり。
実際、穴にハマると体が大きく宙に浮くだけでなく運が悪いと脱輪やタイヤがパンクしたり下手するとバランス崩して車が横転するとかの可能性も大。
しかしこの親父ドライバー。さすが「オールド・マン」と呼ばれるだけあって運転はベテラン。
彼の愛車パジェロは計器が壊れているので一体どれくらいのスピードが出ているのか分からないけれど昨日までの中堅ドライバーさんと違って体感速度がちょっと早い・・・・
ジリジリと刺すような直射日光と強い紫外線を浴びながら、確実に10%増しくらいのスピードで荒れ果てたパミールハイウェイをぶっ飛ばしていきます。
ボーントゥビワ〜イルド♪ダッダダー、ダッダッダダー・・・・

ムルガブーアリチュール

荒れ果てた荒野の中、ムルガブから緊張感あふれるドライブを1時間半ほど楽しんだ頃、緑の草が生えた小さな湿地帯が遠くに見えてきた!オアシスだ!!


ずっと土埃が舞う茶色い地面や岩だらけの大地を眺めてきた所に突然現れた鮮やかな緑の小さなオアシス。
このオアシスに様々な生物が生息してると思うと、何だかホットする…。
緑って大事だな。

Ak-Balyk Lake

親父は車を停め「小さな湖に魚がいる。」というので、みんなで「ほほう、どれどれ…」と言いながら車を降ります。
標高3900メートル地点にあるAk-Balyk Lakeは、湖の底から湧き水が出ているので水の透明度がびっくりするくらい高く、その透明度は湖底の砂つぶまで肉眼ではっきりと見えるほど。

そして、この小さな湖には小さな黒い魚がたくさん!

Ak-Balyk Lake

昨日から岩だらけ土だらけの荒涼とした世界ばかりずっと見ていた所に突然現れたオアシス。そして、その湧き水の中には生物が生息しているという光景に安堵を覚えたのか、皆んななぜか気分が高揚。エメラルドグリーンの透明な水の中にいる黒い魚をひたすらバシャバシャと撮影。 
ただ時期的に小さな蚊がものすごく、みんなプチプチやられながらの撮影です。 


アリチュールでランチ
小さな蚊を追い払いながら車に戻り、払いきれなかった車内の蚊を仕留めながらまた車を走らせること10分。今度は小さな集落が見えてきました。
標高約3900メートル地点にあるアリチュール村です。

アリチュールの街


親父が「ちょっと早いけどランチタイム!」と車を1軒の建物の近くに駐車しました。


Golden Fish店内(ウェブより)

  Golden Fishと建物の壁にペンキで殴り書きされただけの四角いコンクリートの建物の中に入ると、すでに何組かのお客さんが居ました。
中には西欧人のお客さんもいて、みんな一様に茶色いフライのようなものを頼んでいる様子。

親父に聞くと、ここのオススメはさっきの湖で取れた魚のフライだそう。
そりゃもちろん、その魚のフライを注文するよね。

めちゃくちゃに美味しかった

魚のフライは揚げたてであっつあつ!
骨までカリッカリの揚げたての魚のその美味しいこと!
普段は魚が嫌いだといってあまり食べない娘も、この時ばかりは骨までカリカリと完食。
しかも激安一皿25ソム(2.5USD)とタジキスタン価格。

ママの人生の中で美味しかったもの「ベスト5」にランクインです!

ちなみに後ろの席には、恐らくイギリスから来たファミリーが食事していたのですが、多分お父さんがレンタカー運転して…の旅のようで何やら夫婦間で険悪な雰囲気でした(笑) 。
どうやらお母さんは、頑張ってこの日中の特定の時間に訪れたい場所(夕日が綺麗とか?)があるらしいけど、お父さんは無理したくない。。。的な内容でした。まぁね、助手席に座ってるだけでも結構な緊張感を感じるので、運転手(お父さん)はかなりのストレスではないかと。。。ただでさえ言葉も通じない見知らぬ土地で、先進国のような設備が全くない場所・・・
その家族の子ども三人とも小学生くらいの年齢っぽかったですが、車とドライバーをハイヤーしてよかったな、とつくづく思いました。
もちろん時と場合にもよりますが、今回のこの場所の場合は大正解。全くストレスフリーです。

アリチュールーブルンクル(ヤシクル湖)


お腹がいっぱいになったところで、また未舗装の道を走り始めます。
今度はパミールハイウェイをわずかに外れてブルンクル、ヤシクル湖へ向かいます。その途中でサシクル湖とタズクル湖、ブンクル湖を通ります。

サシクル湖


先ずは、サシクル湖を通り過ぎてダズクル湖へ。 この湖は塩分の濃度が高いため水面周辺は真っ白です。

雲がかかって影になってる。塩湖

次は、ブルンクル湖へ。
ここで昨日会った日英グループと日本人男性二人組と一緒になりました。
日本人男性二人組のうちの一人はロシア語が流暢で、それぞれの運転手さんたちと楽しげに色々話していました。綺麗な景色でしたがあまりにも蚊がすごいので早々に退散。。。まさかとは思うけど、マラリアとかに感染したら大変だし。

ブルンクル湖

車に乗ると親父運転手がボソボソっと口を開き「あの日本人ね、今晩ブルンクルに泊まるんだってさ。蚊がすごいのにね。ふふふっ」と謎の笑いを浮かべながら教えてくれました。

土埃の舞う道をさら進むと突然現れた小さな集落。
マイナス63度を記録したこともあるという厳しい環境にあるブルンクル村は合計50世帯以下のおよそ三百人ほどが生活するとても小さな集落です。

ここでどこからともなくやって来たおじさんに自然世界遺産に登録されたタジキスタンの国立公園にあるヤシクル湖への入場料を支払ってさらに5キロほど進んだ所にヤシクル湖があります。

ヤシクル湖
ヤシクル湖畔に車を停めて車外に出るとやがて他の2台も次々と到着。

どうやら本日はこの車3台が全く同じ日程で移動することになりそうです。
我がグループの運転手の親父は、やはり熟練ドライバーだけあって周囲の地理に明るく他2台の若手運転手たちにもしっかり信頼されている様子。

ヤシクル湖。このあと水に入る。

ヤシクル湖の湖畔の砂地が広がる浅瀬になっており、ロシア語を話す日本人男性は無邪気にズボンの裾をまくり「あははははぁ〜」といいながら、じゃぶじゃぶと水の中へ。
「気持ちいいよぉー! おいでよぉ、入ってみなよぉー!」と誘われ、娘もダディの手を握りながら水の中へ。

親父運転手

イギリス人カップルと同行するてっきりカップルかと思ってた日本人男女は、キルギスタンのオシュにあるバックパッカーに有名な宿、オシュ・ゲストハウスで知り合ったばかりのただの旅仲間でした。そうか、どおりでで二人とも敬語使って話してる訳だ。謎が解けた。

もう1台の男性二人組も同じくオシュ・ゲストハウスで知り合ったとのこと。
ロシア語が話せる方の人に「今日はブルンクルに泊まるんですか?」と聞くと、湖のそばでホームステイをする予定だったけど、我が親父ドライバーに「ブルンクルは、この時期蚊が多いし何もないぞ」と言われて迷っている。とのこと。

ブルンクル湖ーワハーン回廊INーRatm Fortressーランガールへ

ワハーン回廊に入るまでの帰り道に再びダズクル湖を高台から眺めると、今度は雲が晴れて、鏡のような湖面には、真っ青な空と真っ白な雲が映し出されていました。

雲が晴れたダズクル湖

この辺りは高度が3700メートルほどあるエリアなのでママの指先は相変わらずピリピリと痺れているし、クリームを塗っても手はガサガサ、リップを塗っても唇はバリバリのままです。

ワハーン回廊

ここからしばらく山道を走り抜けます。
高度4,000メートルを超える峠を超えたところにある断崖絶壁の下に流れる河の対岸はもうアフガニスタン。
ときおり川幅が狭い場所があり、アフガニスタン側に歩いて行けそうな場所も。オヤジは「この辺だったら国境警備が手薄だから川を歩いて超えても大丈夫だよ。」と言ってましたが、もちろん止めておきました。

雪解け水が轟々と勢いよく流れる河はタジキスタンとアフガニスタンの国境に沿うように走っており、この辺りのエリアは行けども見えるのは切り立つような険しい崖ばかり。

対岸はアフガニスタン

たまに石ころだらけの細い道を土埃をあげて追い抜かしていく車がいますが、対向車は滅多に来ません。
ボーントゥビワ〜イルド♪ダッダダー、ダッダッダダー・・・・

険しい断崖絶壁沿いの道をひた走る

4時間ほど延々と続く茶色い山道を延々と走り続けると、突然パッと視界が開けて河沿いにのどかな田園風景が見えてきました。

人間の野生の本能なんでしょうか、緑が見えると心底ホッとする…。


Ratm Fortress

今日の終着地点ランガール村から10キロ位手前の場所に差し掛かると、親父ドライバーは草むらのそばに車を停めて鮮やかな緑が広がる斜面の下の方を指差すと「あそこに要塞がある」と。
突然現れたオアシス、ランガール村の付近

このRatm要塞は2300年以上前にワハーン街道を旅する人々の道しるべとして建てられたものらしい。
ダディ、ママ、娘、マークの四人はその要塞を目指して草むらを分け入り林の中の踏み固められた小道を下って行きました。

要塞までの道のりは15分ほどの近距離とはいえ途中に道案内の矢印があるわけではないので、おおよその見当をつけつつやや不安げに小道を下りていきました。途中にトタン屋根の民家があって賑やかな子どもたちの声が聞こえてきました。

見ると庭先に小さな女の子がいて「ハロー!」とはにかみながら話しかけてきました。
「要塞まではこの道でいいの?」と聞くと、女の子は母親らしき大人に何か言うと「一緒に行く」と言って道案内を買って出てくれることになりました。

娘よりも少し小さいように見えましたが、歳は娘より年上の11歳で片言の英語がわかりました。
学校には行ってなく小さな弟がいて普段は家のお手伝いをしている。と話してくれましたが、その子が実際の年齢よりも小さく見えるのは、やはりこの地域の栄養状態なのかなと思います。
息も切らさずにひょいひょいと移動する身軽な女の子の後を難なく付いて行く娘とマーク。そしてママとダディは少々遅れ気味にゼーハー言いながら要塞に登ります。
かなり遠くまで見渡せるたくさんの石が積み重なった要塞の面影が残る場所の眼下には川が流れ、下から吹き上げてくる風が汗ばんだ体にひんやりとして気持ちがいい〜。
Ratm要塞にてバンドのジャケ写風

帰り道で女の子にバイバイをして親父の待つパジェロに戻ってきた時はもう6時。すっかり夕暮れ時になっていました。 

ランガール到着
ランガールの宿に到着すると、湖で別れた他の2台のグループがすでに到着していました。
今夜の宿は、家族経営のゲストハウスで他にもフランス人のグループなどが宿泊していました。
パミール地方の伝統的な造りの家屋
部屋の中央に天窓がある

夕食は母屋にある天井の中心に窓がある伝統的な家屋の一室でとりました。中央に大きなテーブルがあり、そこに車3台のグループのメンバー、大人9名プラス娘でみんな一緒に夕食を食べました。

久しぶりに新鮮な食べ物、スイカやきゅうりとトマトのサラダが出てきてやっと下界に戻ってきた感じです。それと同時に、昔、夏休みに祖父母の家でいとこたちと一緒にとった食事を思い出しました。なんか懐かしさを感じました。
この時期ちょうど木に熟したアプリコットがたわわに実っていて、行く先々でアプリコットの木を見つけては勝手に実をもいでは食べていました。もぎたてのアプリコットの瑞々しさとその甘いこと!

スイカにアプリコット(カゴの中)とパン

ランガールまで来ると高度も3000メートル弱まで下がり、まだ皮膚の乾燥と指先の痺れは若干残るものの体がちょっとラクな気がします。

宿には英語を話す女性がいてみんなの食事を準備してくれました。
またその家のおばあさんに「何歳?」と年齢を聞かれた娘。「9歳…」と答えると、ちょうど同い年の孫がドゥシャンベの学校に通っているんだよ。と写真を見せてくれたりして楽しい時間が過ごせました。

きっとこのランガール村で外国人が宿泊するゲストハウスを経営して得るお金で孫をドゥシャンベの学校に送ることができるのでしょう。さっき要塞に行く途中で会った女の子を思い、経済の格差が教育の差に繋がる(またはその逆)のはどこの国も一緒ですが、何とも言えない気持ちになりました…。

ちなみに男性二人組は、やはり蚊の多いブルンクルに宿泊するのは辞めてランガールまで来たそう。ロシア語の話せる男性は、明日から歩いてワハーン街道沿いの小さな村々を訪れるのだそうです。もう一人の大阪弁の男性は、明日からはドライバーと二人旅。
そして日英グループは、明日はホログまで一気に向かうとの事。車3台が一緒に行動するのは今日までのようです。

食後はイギリス人チームとおしゃべり。二人ともロンドンから来ていて、彼女はロンドンの小学校の音楽の先生と言うことで娘と学校についてなどの話し相手をしてくれました。

その後ろでは、どこで手に入れてきたのかタジキスタン産のビールを飲み始めた日本人男性チーム。「〇〇さんは、なんで旅を始めたんすか…」とかビール片手に日本語で結構、深そーな話をしてました…。

宿には共同のシャワーがありましたが、よくよく見ると水が茶色く濁っています。そして蛇口をひねってもお湯が一向に出てこない。
娘と簡単に汗を流す程度にささっと冷たい水を浴びて外に出ると、ゲストハウスの人が水を屋根の上にあるタンクに一生懸命入れていました…。水道が通ってないのできっと川から水を汲んでくるのでしょうか。
多分、シャワーのお湯は太陽熱で水を温めて使うのでしょう。シャワー室からすぐに出てきたママと娘を見て「あっ、もう出てきちゃった。(今水溜めてたのに)」と言う顔をしてました(笑)。
シャワーを使う前に申請しないといけなかったのかも! 当たり前に蛇口をひねると水が飲めてお湯が出る生活、そして質の高い教育にアクセスできる毎日に改めて感謝する日でした。
娘にとっても良い経験になってるといいな。

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