2020年9月6日日曜日

【子連れでタジキスタン・パミール高原の旅|4日目】見所がたくさん!ビビファティマ温泉でひとっ風呂

キルギスタンのオシュから時計回りでタジキスタンのパミール高原を7日間かけて巡る旅。
過酷なパミール・ハイウェイからワハーン回廊に入り約半分通過。荒涼とした土埃の舞う大地に現れた小さな集落「ランガール村」のゲストハウスで4日目の朝を迎えました。

ヤムチュンフォートのある丘の上からの眺めは最高

ランガールまで来ると高度もだいぶ下がって体が楽になり、高山病の症状と思われる指先の痺れや肌のガサガサ感もいつの間にかすっかり消えてなくなりました。
本日は、イシュカシムまでのドライブです。今日の移動距離は昨日までと比較すると短く、パミール高原の西側地域の街「ホローグ」を中心としたエリアは、東側に較べると標高も低く緑が豊かで過ごしやすいせいか、人々が暮らす集落も多く見所が豊富です。


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子連れでパミールハイウェイの旅 (4日目)
本日の旅程
  1. ランガール 〜ブラングストゥーパ(Vrang Stupa):30分
  2. ブラングストゥーパ〜ヤムチュンフォート〜ビビファティマ温泉:2.5 時間
  3. ヤムチュン〜イシュコシム:1 時間
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今や家族のように(息子と言っていい年齢・・)すっかり打ち解けたスペイン人青年マーク。
そしてムルガブから運転してくれている時折「フフフッ」と笑う地元出身のベテランドライバー、寡黙なオヤジ、タリブさんは、このパミールエリアを熟知していてどんな悪路でもスピードを落とす事なくガンガン飛ばしていきます。年齢が上で人当たりが良いのもあり、行く先々で出会う人々にリスペクトされている様子。他の車の乗客から漏れる運転手へのちょっとした愚痴が聞かれる中、オヤジは見所をキッチリ押さえてくれている上に安定感抜群そして何と言っても安心感あり。

まだ眠いよーとベッドにもどる

 一人のマダムに「グッドモーニング!」とあいさつすると、娘への「何歳?」「どこから来たの?」という質問から会話が始まり少々立ち話。
ランガールで迎えたこの日も朝食に出されたミルク粥を食べた後、目の前に広がるのどかな田園景色を眺めながら外の洗面台で娘と歯を磨いていると、荷物をまとめて出発の準備をする隣の部屋に宿泊していた50代位の男女5−6人のフランス人グループに会いました。

ランガール
こんな景色を見ながら歯磨き


マダムたちは我が家とは逆周りでパミール高原を回っているそうで「うちも子どもが小さい時からよく旅に出かけてたわ。子連れ旅は掛け替えのない素晴らしい経験になるわよ。あなた達もぜひぜひ楽しんでね!ボンボヤージュ!(良い旅を!)」といって去って行きました。

ちなみに、ランガール村は水道はもちろんガスや電気(自家発電のみ)などのインフラはなく、昨日のシャワーの水を見てみても生活用水はどうやら川からくんで来たものをタンクに貯めて使用している様子。
スペイン人マークは、この茶色い水で歯を磨いた。というので、びっくりしていると「飲んでないから平気だよ〜」と。本当に大丈夫なのか?!

ふと見ると、オヤジは悪路ですっかりホコリまみれになった愛車パジェロを朝からせっせと掃除し水拭きもして車内はすっかりキレイに。
荷物をトランクに詰め、いよいよ4日目出発! 本日の助手席はマーク。

ブラング・ストゥーパ

ランガールのゲストハウスを出て数十分。ブラングと言う小さな村でオヤジが車を停めました。

ここから徒歩15分ほどの丘の上にあるブッダ・ストゥーパを目指します。

昨日から同一行動をしているイギリス人カップルと日本人男女の4人組、そして今日から車一台を単独貸切の大阪のおじさんも一緒です。
昨日までいたロシア語を話す日本人男性は、徒歩で小さな村々を巡ると早朝に宿を出発していったそうです。

村の唯一の商店で水を購入。
外国人が多く来るのであろう、英語が話せる店主。

普通の観光客は滅多に立入らない辺境の地パミール高原ともなると、旅人も一風変わった人が多い(笑)。
他の2台の運転手たちは、夏の観光シーズン期に駆り出されたキルギスタン出身の若者で、オヤジの様にワハーン回廊の隅々までの知識はない様子。頼りになるオヤジと行動を共にしたい様で、大阪の男性の運転手は、我が家のグループに合わせるかのように当初の予定を1日短く繰上げようと提案してきたとのこと。

緑のあぜ道を抜けると地元の子どもたちが集まってきて、皆んなでブッダのストゥーパがある場所まで連れて行ってくれました。

あぜ道を抜けて奥に見える丘の上を
目指します。

道なき道を登っていくと、眺めが抜群の丘の上に文字が刻まれた石碑とレンガが積まれた山がありました。このストゥーパは、仏教の巡礼者によって4世紀頃に建立されたものらしくゾロアスター教の火を祀る神殿とも言われているんだそうな。確かアゼルバイジャンのバクーにもゾロアスター教の火を祀る神殿があったな。

【子連れでアゼルバイジャンの旅】首都バクーから行く近郊一日ツアー

子連れ海外旅行に役立つ旅の小技から各国情報まで、ロンドンから子連れ旅情報をお届けします。

神殿跡

こういう石碑がある

見晴らしが良い

帰り道、「ルック!ルック!」という地元男子の手の平を見やると、2粒のキラリと光る小さな宝石の原石が。「プレゼント!」「ルビー!」という男子。脳内を訳すと「お土産にルビーを買わないか?」と言う事らしいので、もちろん「いらないよ」と言って去りました。
小学校で音楽の先生をしているイギリス人女子はバッグの中に大量のシールを忍ばせており、地元の子どもたちに動物シールを渡していました。
さすが小学校の先生。小さい子には「これは牛だよー、ンモォ〜!」とか言いながら胸にシールを貼ってあげてました。
旅行者はつい子どもに小銭などを渡しがちですが、少額でも現地ではいい金額だったりすることもあるわけで。まだ金銭の価値を知らない子どもが「外国人=お金をくれる」と考えたり「親切はお金で買える」ものと勘違いし始めると外国人に媚びたり悪さを働き始めたりする温床ともなり得るので言葉を教えながら子どもに可愛いシールを渡すというのはすごくいいアイディア!

車に戻る途中の鮮やかな緑のあぜ道では、産まれたばかりの子ヤギ2頭とそれに戯れるちびっ子に遭遇。近くにはその様子を微笑ましく眺めるお母さんの姿…平和な時間が流れる牧歌的な風景。



マークはここで急にスイッチが入り、やたらめったらこの子ヤギの写真を撮りまくり。子ヤギだけで100枚以上撮ってたんではなかろうか。
可愛い子ヤギは、4人兄弟のかなり歳が離れた末っ子スペイン人男子のハートをガッチリ掴んだようです。ちなみにマークの一番上のお兄さんは、ママとそんなに年齢が変わらないんだそうな。。。

ヤムチュンフォート

この辺からは、各名所までの距離はほとんどなく、次のヤムチュンフォートまでは、ブッダストゥーパから車でほんの15分の距離でした。切り立ったガケの上に積まれたレンガがほとんど崩れ落ちて原型をとどめていない遺跡がありました。ここも特に整備されているわけでもない場所なので、小川を渡りガケを登ってこの廃墟となった遺跡跡へ。

あの丘の頂上を目指す

小川を超えて頂上を目指します

上の方に車が止まっているのが見えます

帰りは小川で少しだけ水遊び

敵を見つけやすい見晴らしの良い場所に建てられていただけあって、眺めはとても素晴らしく遠くまでよく見渡せました。

ビビファティマ温泉(ヤムチュン温泉)

車に乗って再び向かったのが、本日のハイライト、通称ヤムチュン温泉と呼ばれるビビ・ファティマ(Bibi Fatima)。
この温泉のあるヤムチュン村は、ヤムチュンフォートとは逆の山側、幹線道路を離れ細い山道を登っていった所にある温泉施設です。建物の近くには湯時客のための宿が何軒かあり、タオルを持った温泉帰りの人を見かけました。

温泉に入る前に、オヤジオススメのお店でちょっと早めの昼食に。
なんてことない普通の食堂なんですが、ここの肉詰めピーマン(?)のトマトスープが劇ウマ!! ずっとハズレなしで、オヤジは食のセンスも抜群です。で、お腹も膨れたところで、いざ温泉へ。


左奥のテーブルで同じものを食べてる
運転手たち

他の車2台のみんなは、すでに一風呂浴びて階段で休憩してる所でした。我が家とは入れ替わりで、これからお昼ご飯を食べるという皆んなに「温泉、どうでしたか?」と聞くと、「いやぁ〜気持ちよかったよぉ〜」というので、ワクワクしながら温泉建物内へ。

これがビビファティマ温泉(ヤムチュン温泉)の施設

味も素っ気もないコンクリートの建物は、時間制で男女入れ替えになる浴場が2箇所あり、オヤジに手荷物から決して目を離さぬ様にと忠告を受けながらママと娘は女子風呂へ。
建物の引き戸を開けると、すのこが敷かれた更衣室があり、その隣にいきなり浴槽。お風呂にはすでに二人の女性が入ってました。体を洗う場所はありません。
無色透明のお湯は、熱すぎずぬる過ぎずのちょうど良い湯加減でしたが、ただお湯につかるだけで外の風景が眺められたりするわけでもないので、直ぐに飽きてしまった娘に急かされるようにお風呂を出ました。
が、ここでタオルも何も持たずに来たのに気がつき、犬のようにブルルと水気をはじき飛ばしてから洋服を着るという事態に。夏でよかった!
お腹いっぱい、一風呂浴びてサッパリ!
次に向かったのは、今日宿泊予定のイシュコシムへと向かう前にまたもう1箇所の遺跡へ。

Namadgut & Khakha Fortress

Namadgut & Khakha Fortressと言う崖の上に建てられた要塞の跡。わずかに残った要塞の壁に沿って歩くと、どこから敵に攻められても直ぐに分かる様にか360度どこを見渡しても遠くまで視界が開けているとても場所にあるのが良く分かりました。素晴らしい自然の風景に風が吹き抜け気持ちがいい。
大きな岩が残る要塞の跡

またもやゼーハー言いながら崖を降りていくと、遺跡前で地元の人がお土産屋さんを開いていて、娘はオヤジにブレスレットを買ってもらっていました。オヤジにとって娘は、きっと孫と言ってもいい年齢なんだろうな。ありがとう、オヤジ。

Pamiri House Museum
再び車に乗って直ぐ、今度はPamiri House Museumへ。朝から温泉や崖のぼりなど盛り沢山の1日で疲れていたので、宿に早く行ってのんびりしたい気持ちは山々だったけど、小さな博物館だったので入ってみる事に。
パミール地方の伝統的な作りをした館内には、この地方の歴史や代々伝わる伝統的な暮らしにまつわるものが展示されていました。
博物館の前にはたわわに実ったアプリコットの木があり、みんなでもぎ取っておやつタイム。

イシュコシム村

今日の観光予定を消化して、夕方やっとイシュコシムの街へ。
ここイシュコシムの街には1箇所(?)だけ信号があって、これまで通過してきた村々とは違ってかなり都会に。
到着した時には午後遅めの時間だったため、オヤジが予め目星をつけていた宿はどこもすでに満室で、最後に見つけたまだ新し目の宿へ投宿することに。ただ観光客目当の非常にビジネスライクな感じのする宿で、オヤジが「子どもの宿代はただにして」と宿の若者スタッフにお願いしてくれるも聞く耳持たず。パミール高原の旅では、どの宿も料金は一名あたりの値段となっていて、これまでどこの宿も子どもの宿泊料金は無料にしてくれていたので、ママがアメリカに留学していた英語堪能な若者スタッフに再度掛け合ってみると「オーナーに聞いてみるよ!」と電話をかけてくれましたが、それでも「半額」。
するとオヤジが「まだ小さな子どもなのに・・」とさらに粘ってくれ、しばらくしてやってきた成金風オーナー本人が「無料でいいよ!」と、結局子ども料金無料としてくれました。オヤジ、ありがとう!

とりあえずテレビをつける現代っ子


やっと部屋に入り電気のスイッチを押すと、なぜか天井から軽快な音楽。カラオケバーか、この部屋は?
しばらくスイッチオンで狂ったように踊りオフでピタッと止める。という遊びを皆んなで繰り返し、皆んなでお腹を抱えてゲラゲラ笑っていたところ、半分部屋のドアが開いており何と宿のスタッフに見られて大爆笑される。。。

ここの宿の唯一よかったところは、洗濯機の使用が無料で最速30分のコースがあったところ。荷物を下ろすと直ぐに交代でシャワーを浴びさっそくお洗濯タイム。あまりにも大量で洗濯物を干す場所が全くなく仕方なく宿裏側の民家の庭先にあった洗濯ロープに、近くにいたおばあさんに身振り手振りで了解を得た上で洗濯物を干させてもらいました。おばあさんに「お茶を飲んで行かないかい?」と誘われたものの夕食の時間もあったので、丁寧にお断りして宿に戻りました。

宿の夕食は歩いて数分の別の建物でした。これまでは宿に到着するのが遅くなってしまい街(村)を見て回る時間がありませんでしたが、今回は夕食までまだ少し時間があったので街の中を散策。

さほど大きくない街(村?)のあちこちにあるアプリコットの木にはぷっくりとしたオレンジ色の果実がたわわに実り、手入れされた民家の庭には色とりどりの鮮やかな色の夏の草花が満開でした。路上には黒ヤギが繋がれていたりとてものどかな雰囲気。夕暮れ時のイシュコシムの街は、山間に沈んでいく夕日で空が綺麗なオレンジ色に染まっていました。昔の日本の夏の夕暮れ時を思い出させるような懐かしい光景が広がっていました。


レストランの建物に入ると、だだっ広いレストランの店内にあるボックス席に案内されました。夕食代は別途支払いで、メニューは頑張って西欧人受けしそうな内容だったけど、ショボすぎだった。お金払ってまでこんな内容なら村にある別のレストランに行けば良かったと、明日の朝食は宿泊代に込みだけど、他のカフェに行こうと言いながら宿に戻りました。

とりあえずどこでも必ず出てくる
トマトときゅうりのサラダは美味しい。

宿の建物に入ると大阪弁の男性に遭遇。どうやら今晩はこの宿に泊まることになったらしく、ドライバーのみんなと一緒に雑魚寝するとのこと。明日のホログまで同じ日程のようです。




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